もはやゲームのような世界観。美しき民族の姿を切り取る、ヨシダナギの写真展で圧倒されてきた
ヨシダナギさんという写真家の方がいる。
世界には、今もなおたくさんの民族が文化やスタイルを壊さずに生活し、現代の文明と関わった関わらなかったりと、多種多様だ。そんな彼らを撮影する写真家なのだが、もちろんそんな民族を相手にするわけなので、撮影はそう簡単にはいかない。
そのためには彼女自身も現地人と同じように裸になったりすることで現地に理解を示すなどし、なんとか撮影できている写真も多いというのが特徴だ。
先日、雑誌のpenでも彼女の作品は大きく特集されていた。
Pen(ペン) 2017年 5/15号 [写真家ヨシダナギが案内する、美しいアフリカ]
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2017/05/01
- メディア: 雑誌
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彼女が自身が若い日本人女性であり、美人ということもあって「美人カメラマンが裸になって撮影してきた」という部分にフォーカスが当たることも多いのだが、それよりも何よりも作品自体が素晴らしく、個人的にはとても好きで追いかけている。
そんな彼女が渋谷で個展を写真展を開いているということで、「ヨシダナギって誰?」状態の夫を連れて見に行ってきた。
ちなみに結論から言うと、夫は「来てよかった」と連呼していた。
しかもこの写真展、すべての撮影やSNSなどでのシェアもOKということで、思わずたくさん撮ってきた。
鮮やかな民族衣装を身にまとう、強い人々の瞳を捉えた写真が多い。
が、たとえばインドで出会ったという「男性器を鍛える」修行をしているちょっとユニークな師匠に出会ったり。
↑ 陰茎を鍛えているという男性。「玉」が、ポロリ寸前である。
民族の方々を連れて移動し、出会うのはずのなかった文明を象徴する線路の上で撮られた写真などはインパクト大。
そのひとつひとつの表情も、面白い。
彼女の写真は共通して、丁寧に色彩が整えられていることだと思う。
リアルな鮮やかさを、写真の形にしても残せるような工夫をされているんだろうなと素人ながらも実感。
彼女はもともと写真家として生きる予定があったわけでもなかったため、写真技術を勉強した経歴ではなく、試行錯誤の末に今のスタイルにたどり着いたのだという。
お金をかけて一回渡航しても、何千枚もシャッターを切っても、ブレてなくてちゃんと使える写真は数枚、なんていうことも。
ある意味「コスパの悪い写真家」なのだ。だからこそ、彼女の撮ってきた渾身の一枚は面白かったりする。
日本から持ち込んだタウンワークを読む人々。このコントラストの面白さを撮ってきてくるセンスが、個人的には好き。
頭部のパーツに「カメムシ」をたくさんつけて、鮮やかな緑色をまとうことで「男性性の強さ」を競い合う民族。
アフロヘアに、白い粉(石灰だったかな、説明を失念)をつけるエチオピアの民族。
赤土をカラダに塗りたくり、独特のヘアスタイルで女性の強さを見せる民族も。
赤い肌色が美しいこの民族は、感情の機微が非常に読みづらかったのだそう。
もはや、ゲームのような世界観。
こんな写真がたっぷりみっちり堪能できる写真展は、なんと入場無料。
ヨシダナギ「HEROES」
会期:2017年5月30日(火)〜6月26日(月
営業時間:10:00〜21:00(日・祝は20時まで)
会場:西武渋谷店B館8階 美術画廊オルタナティブスペース
ユニークな人々の姿に、圧倒されること間違いなし。
また、その様々なスタイルに世界の幅広さを思い知らされるので、どうか足を運んでほしい写真展でした。
ヨシダ ナギ 写真展「HEROES」|西武渋谷店|西武・そごう
写真集も大迫力なので、必見。
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