作家・ライター
シンガポール出身,元気なシングルマザー
鬱々とした陰気な感情を,
軽やかでポップな文章にするのが得意です

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朝って、しんどくないですか。

 

うーん。

朝ですね、おはようございます。

 

今でこそフリーランス(自営業)となり、マイペースに原稿を書くことを仕事にしている私ですが、

大学生の頃は死ぬ気で1限に間に合わせないと単位がやばいぞという崖っぷちな気持ちと、それでもいつまでもお布団の中にいたいぜという気持ちが、毎朝毎朝どーんと衝突してまして、それはそれはつらい戦いの日々でした。

 

いやはや、大学卒業できてよかったな……この戦いに勝てずにあのまま8年生になった同級生、今何してんだろうな……。

 

会社員になってからもまたしかり、というか「お金を払って」学んでいる学生時代とはまったく違う、「お金をもらって」仕事をしている立場は、遅刻をするしないではなく、できないというのが当たり前の日々でした。

振り返れば、頑張ったな、私。うんうん。褒めてあげたい。

 

現在26歳の私、生まれてこのかた朝はギリギリまで寝てしまうもの、という概念のもとにずっと生きているので、朝に何か用事がある時には化粧もままならぬまま、ちょっとした寝癖は見なかったことにしたまま、慌てて飛び出して電車に飛び乗って、ドタバタドタバタ、バッタンキュー。

 

はーぁ。

朝ってなんであんなに、忙しいのでしょう。

 

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だって、朝。

つらくないですか?

え、つらくない人間がいるのですか?(驚きの表情)

 

私が異常に低血圧なのもあるのですが、朝はぼーっとするし、何も捗らないし、ちゃんと早寝したとしてもやっぱり午前中って頭が使い物にならない。どんなに簡単なエクセルでも、信じられない計算ミスをしてしまう、朝。

 

早起きしたほうが頭の回転よく作業ができるだのなんだの、朝食会に参加しよう、朝活しよう、朝ランニングしよう、となんだか朝って素晴らしく偉いものとして扱われますけども、いやいやつらいものはつらいよ。

 

そりゃ試行錯誤しましたよ、スッキリ起きられる方法も調べては試し、夜9時就寝の習慣化もしましたし、はたまたショートスリーパーになる本だって何冊買ったか。でもね、ダメでした。進捗ダメです。

 

そういう人間だっているのに、なんか早起きして何かした方が素晴らしいみたいな風潮、正直しんどいです。

うるさい! 朝は眠いし、私はたくさん寝たいんじゃ!

 

夜型人間だけども、大学受験も乗り越えたし、会社員時代も今の自営業もなんだかんだなんとかやってますので、朝活こそ最高だと言わんばかりに早朝Instagramで美味しそうなクロワッサンを自慢してる皆さま、どうか夜型人間にも人権をください。できれば、愛もください。

 

朝早く作業できるほうがそりゃ私も色々助かりますけど、爽やかにパンを焼いて花でも飾っちゃって、窓拭きでもしたいですけども、そしてもしかしたらそれによりいいお給料の仕事にも就けるかもしれないですけども、26年間試行錯誤してもうこりゃダメだと確信したので怒らないでください、それでもなんとかほら、生きてますし、ね。

 

こんなセリフを言うと一部の方には「クズだな」と思われるかもしれませんけども、「こういう社会貢献がしたい」と仕事を選ぶ人も、「とにかくいい給料がいい」と仕事を選ぶ人も、「絶対に定時で帰りたいんじゃ」と仕事を選ぶ人もいるでしょうけど、「朝は起きたくないし、たくさん眠りたい」という基準のもと仕事を選んでもいいと思います。

 

というか私は、それは1位、2位を争うくらい重要な事項です。だって、寝たいって人間の三大欲求のひとつですよ? もっと大事にしてあげてもいいじゃあないですか。

 

みんな、今稼げるお金やら未来のキャリアやらばっかり言いますけど、それもそれで素晴らしいですけども、

世の中でもっともしんどいお金の使い方は、健康を損なってから使わざるを得なくなった治療費じゃないでしょうか。

 

どうしたってなっちゃう病気もありますけど、例えばこうすればならなかったのにね、という後天的な病気になるのは結構悲しい。栄養バランスの崩れた食事、睡眠時間の足りなさ、などなどが原因の病気です。心の病気もこういう要素が大きいことが多い。

だから睡眠時間は大事です。健康第一で、プラオリティ高めに人生設計したっていいじゃない。健康を損なって失うお金も、時間も、切ないよ。

 

個人的なルールですが、睡眠時間のほうが仕事時間よりも長い、というのを徹底しています。

まあいつも最低10時間以上は寝るので、物理的に1日にそんなに働けないってのもあるんですが。

 

人にはそれぞれ適切な睡眠時間があり、3時間ですっきり目覚められる人はそりゃうらやましいですけど、長時間寝ないときちんと生活を営めないような人だってもちろんいますので、人それぞれってことでここはひとつ、そんな自分を受け入れて、それに合わせて仕事選びなどの人生設計をやってみるのも大事だと思います。

 

ここを進めば大丈夫と思っていた敷かれたレールや、子供の頃から長い間思い描いていた大人像から少しでもずれてしまうと、人間って怖くなることは多いし強く不安になりますが、それでも背に腹は変えられない、健康と理想の仕事は引き換えにならない。このことに気づくまで、私はどれだけ時間がかかったか。

 

小学生の頃の卒業文集には、周りが「アイドル」だの「サッカー選手」だのまだぼんやりと大きな夢に包まれている職業を選ぶ中、「公務員になりたい、または安定した収入の社会的地位が一定程度ある仕事」と書いていたつまらない人間ですよ、私は。ええ、そうですよ、それが私なんですよ。

しかし、どんな12歳だよ。しかもカッコで(国家公務員)って書いてあるんだよ、めちゃくちゃお忙しい官僚が5時に仕事を終えられると本気で思ってたのかよ、あの12歳は。

 

それが今やフリーランスやって、好き勝手に仕事をして。

もしも今の私を12歳の私に見せたら、「何勝手にレールから降りてんだよ!定年までひとつの仕事を頑張れよ!」って怒られるに違いない。しかし嫌な12歳だ。

 

そんなこともあるわけで、もしも私のように朝がしんどくて絶望していたり、満員電車に乗るたびに吐き気と頭痛に押しつぶされそうになる仲間がいましたらば、ちょっと立ち止まって欲しいなと思います。

そんな人間でさえ、こうなったんですから。

 

もちろん、健康とトレードオフしても何かを手に入れたい、金が欲しいんだバカヤロー、そんな人も多いでしょう。何かこの世にミッションを受けて生きている、と信じて疑わない、猪突猛進に仕事に生きる人間も素敵です。ちなみに私の夫がそうです。

人生は短いです。それもわかっています。

 

だからこそ、体が強くない私は、健康重視で健康な時間を長めにしっかり生き抜きたいです。そんな選択肢なわけです。

 

なんとなくそうしてるけどひたすらしんどい、と思ってる人がいたら、無理することなく、自分の歩かねばならないと思い込んでいるレールから一旦降りてもいいんじゃないかなとは思います。

 

レールの上でずっと努力をしてきた人間ならなおさら、底力はあります。そこから仕切り直して、大きなチャレンジをすることもできるのですから。

 

朝って、しんどくないですか。

だからたまには深呼吸して、ふと考えてみたり、ズル休みして生きていきませんか。

 

結構、いいもんですよ。

 

 

 

ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)

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