作家・ライター
シンガポール出身,元気なシングルマザー
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享楽的な街、その名はパリ

そういえばついこの間まで、パリに滞在していました。

Bonjour
そう、パリだよ、パリ! あなたご存知?
石畳でお洒落なあの街、パリだよ!

 

フランスのパリ、と言えばなんだか、
エッフェル塔!素敵!マカロン!美味しい!
フランスパンを抱えて街を走り抜けろ!
女の子の夢と憧れが詰まってる♡
みたいなオッシャレー!なイメージで語られがちですが(このイメージもしかしてわたしだけ?)、実際自分で足を運んでみると、やっぱり『全然』違うものだなと沢山気付かされるわけです。
 
その『パリで直面した現実』を箇条書きで書く前に、パリの夕焼けの写真を。
この写真、加工などは一切無しでただiPhoneで撮影してこの色でした。

だから直接目に映る風景は、これ以上に圧倒的な極彩色なグラデーションだったことは言うまでもなく。皆さんにもおすそ分けです。
 

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(左のほうに写ってるのはエッフェル塔だよ!)
 

さてさて。美しいパリよ!
わたしはこの街を訪れて、あゝ!なんて享楽的な街なのだろう!と直感で思いました。
 
美しい、綺麗、美味しい、心地よい、気持ちよい。
そういう五感の一番うっとりする部分に問いかけることに関しては、もう今まで行ったどの国のどの街よりも優れていて、むしろ特化していて。
 
己にとって気持ちのいい、美しい、気分の良い部分が街の至る所にたっぷりと鏤められています。
 
 
だけども、しかし。 

メトロ(地下鉄)の足元は平気で汚いし…いったい掃除とはなんだったのか…
 
到着したその日はパリの大気汚染が深刻で、そのためすべての公共交通機関が無料になってるという不思議だし…(しかもその電車が夜なのに途中の駅で何故かトラブルで止まる恐怖たるや…)
 
シャンゼリゼ通りで目の前の日本人女子大生2人組が見事にひったくりにあい、彼女たちは現金もクレジットカードもまさかのパスポートも紛失…(日本大使館まで案内してあげました)
 
観光客が空港から来る際に必ず通るはずの北駅の治安はびっくりする程に危ないし…というか実際にジプシーの若者に囲まれて大胆なスリ(ポケットに手を突っ込まれるわ、カバン開けられるわ)(幸いなことに睨みつけて逃げたので被害なし)にあうし…
 
通りすがりによく見かける多くのホームレスな小さな子供はとても見てられないし…
 
合流するはずの友人が「パリの空港、ストライキらしい」ということで飛行機飛ばずに空港で寝泊まりするし…
 
アラブ系の変なホテルのフロントの青年に口説かれて、夜中にスペアキー持って部屋のドアの真ん前にまでくるという恐怖(ドアの前に机を動かし、バリケードを張って寝た)体験をするし……それで揉めに揉めて、日本大使館に助けられるし……
 
 
ど、どこがロマンチックで素敵な街なのよーパリはーーーー!!!
 
などという部分もたっぷり♡ ございました。(ハートマーク今ならつけられるけども、その時はそれぞれほんとうに大変だったんです)
 
 
美しくて、汚い、そんなイメージが本当にぴったりのパリ。
 
じゃんぽ〜る西さんという、パリに在住しながら漫画を描いている日本人の方がいらっしゃるのですが、その方も『綺麗なんだけど汚いんだよなあ』とコミックエッセイに描かれていて、日本へ帰国後に読んだわたしは『わかる……』と頷きました。うんうん。
  

パリ 愛してるぜ?

パリ 愛してるぜ?

 

このコミックでは『フランス人への違和感あるある』だとか、『パリでよく遭遇する事件』などがたっぷりコミカルに描かれています。10日ちょっとほどしか滞在していませんが、それでも描かれたエピソードほとんどに全力で頷きました。パリに一度でも行ったことあるひとは、超絶オススメです。
 
 
美術館は立派で超多くて(しかも安い)、最高峰の芸術に簡単に触れられて。
美味しいものは溢れていて(外食は高いけどスーパーは激安)、美食の街で。
町並みの美しさはさることながら、一流ブランド店のお店もシャンゼリゼ通りに沢山あって。
ちょっと休むのでもいちいちカフェ。しかも食べるんだったらいちいちコース。フランスでは食べることに時間をかけるのが「当然」で。美味しいんだけどね!
 
だけどそれって、ぜーんぶ、欲望のままの為のモノ。
きれいなもの!おいしいもの!ばんざーい!
いやー!こりゃマリーアントワネット精神まんまだわ!とかフランス人を見ながら思っていた観光客のひとりでした。これがフランスか!なるほどなァ!
 

ちなみに行ったことないひとが想像しているよりパリってとても小さくて、端から端まで頑張れば徒歩で制覇できます。感覚としては山手線圏内くらい?でしょうか。

基本的には徒歩で移動し、夜は自転車(至る所にレンタル自転車があって乗り捨てが出来る、クレジットカードを持ってれば外国人でもOK)で移動しました。かなり疲れたらメトロに乗る、の繰り返しで結局一度もタクシーは使わず。 

なんだかんだ日本より物価の高い感じだったので、長期滞在する学生さんならこんな感じの移動でいいのではないでしょうか。そして何より、このおかげでパリの地理感覚が相当頭に入りました。一方通行の道もどこかということを掴みました(逆走すると自転車でも罰金とられるらしい…)

 

 
美しい観光地の写真は一応、こちらも観光客たるもの!と沢山撮っておきましたが、ノートルダム大聖堂ルーブル美術館も何もかも。
Google先生に聞いたほうが素敵な画像を出してくれるのでわざわざここでは載せなくていいかな…と思いまして。
 
その代わり、こちらを皆様に。

 

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どーん!!らーめんだーーーー!(ドコドコドコドコドコ)
 
パリの滞在は前半は、フランスに精通した東大生の友人(とっても感謝してます)、そしてその共通の友人などとしばらく一緒にパリ市内のアパルトメントで暮らしていて、後半はひとりでホテルステイをしていました。
 
その前半の際に、その友人達とラーメンを食べたのです。
ラーメンを。そう、パリで!
 
『わざわざパリに旅行行ってるのに、ラーメン?』

そう、わたしもそう思ってましたよ!!
でも毎日毎日の赤ワイン……チーズ……テリーヌ……生ハム……フランス料理!
ガッデム!わたし胃もたれでもう限界!!ってなります。なるんです。
これが本当に……なるのです。
やっぱり美味しいです、日本食バンザイ。胃もたれしそうなラーメンでもバンザイ!
 
友人曰く、怪しい日本食(中国人経営とか)が多くて、パリの人は美味しいと喜んでいても日本人がガッカリする日本食がパリには溢れているのに、やっと日本人の納得するラーメン屋が出来た!とのことでパリ在住日本人話題騒然のラーメン屋さん、だそう。
 
お客さんは8割くらい日本人で、流れるBGMはまさかの「プッチモニ
ここは日本か!?、とパリで感動するほどでした。
日本のラーメン屋さんの支店です。パリの日本人街に訪れる際は、みなさまもぜひ。
 ⇒ こってりらーめん なりたけ パリ店 

ちなみにオペラ座近くのこの日本人街には、日本食屋さんが多くあるほか、ブックオフジュンク堂も普通に存在し、ジャンプの最新刊をパリで買うことが出来ます。やるじゃん!パリ!
 
 
とまあ、こんな感じです。パリ。(ざっくり)
 
本当はもっと書きたいことも多いけれど、何から何までも書けそうなので気が向いたら続きを書きます。他にももっとあって…
 
たとえば……
シャンゼリゼ通りのラデュレで食べたマカロンの美味しさだとか、パティスリー・サダハルアオキ・パリで買い物したら店員全員日本人だったとか(ちなみにまあまあの美味しさだった)、夜のキャバレーにひとりで出かけてひとりでエロいストリップを見て帰っただとか、一応王道だしと訪れたルイヴィトンのシャンゼリゼ店で買い物したらジュース出てきて楽しかっただとか、エッフェル塔のイルミネーションタイムに遭遇したりだとか…

とまあ、そんな感じでした。パリ。(再びざっくり)
 
 
個人的に一番印象深いのは、マレ地区(ファッションの最先端と言われる地で、ゲイタウンでも有名。例えるなら原宿+新宿3丁目?のような街のこと)でした。

レズビアンに間違われてナンパされる他、ドイツ出身だというゲイの友人なども出来て、ナイトクラブに一緒に遊びにいったりしてとてもいい経験をしたり。
 
あとは、パリ市庁舎の前で自由に踊っていた黒人達に、飛び入りで韓国人の女の子が混ざり、その子のレクチャーで様々な国籍の観光客みんなでガンナムスタイルを踊ったのも良い思い出です。日本人ならもっと踊れるでしょ、とパリで韓国人に振り付けを習いました。
なんかだかこうやって書いてみるとやはり色々ありますね、楽しかったです。
 

 
時々その『テキトー』な国民性にイラッとしながらも、
美しさや美味しさを追求するその姿勢に感動し、
ということが何度もありました。パリ。
 
 
また行くよ、パリ!
と思いながらトランクを抱えて空港から帰る途中、なんだかんだ嫌な思い出があっても既にパリが恋しくなっていたのは、きっとこの街が結局はやっぱり素敵でロマンチックな街だ、ということなんだろうなあ。ふしぎ。
 
 
追記:

 

空港と街を行き来する途中、20キロを超える重いトランクを必死に抱えて階段を登っていると、こちらは何も言わずとも、必ず誰かしら男性が近づいてきてトランクを代わりに持ってくれました(ナンパも少なからずいたけれど)。合計で20人ほどの男性に助けられました。
レディに優しい国なのは本当だな!と日本に到着して誰も助けてくれないまま階段をひとりで登りながら実感しました。本当に重かった、、、、
 
あとパリをぐるりと周ったことがあるひとはぜひこちらを!

 

この作品を帰国後に観ると、再びパリに訪れた気分を味わえます。5分ほどの物語の短篇集ですが、パリのそれぞれの区で実際に撮影されているのでおすすめです。1区の作品と、モンマルトルのが個人的には好きです。
 
そしてこれを観ると、本当にパリにもう行きたくなりますね。なんだかんだ、パリに夢中でお恥ずかしい限りですが。

 

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