乳首の毛を剃らなくなってしまった女の話
唐突だけど、女の乳輪まわりにも毛は生えるのは常識だ。
そう、この毛が生えるのは男だけじゃない。
もしもこの文章を読んでいる男の中で『え、女にも生えるの?まあでも、いうて産毛レベルでしょ?男ほどじゃないでしょ?』などと生ぬるいことを抜かす奴がいたら、『女 乳首 毛』あたりでGoogle先生に画像を尋ねて、もうちょっとお勉強してから出直してきて。じゃなきゃ童貞野郎って呼んでやる、下手すりゃ博多湾に沈めてやる。
若いお嬢さんは基本的にムダ毛をそれなりに気にしていらっしゃる人が多いので、温泉なんかで裸体を見ても『あなたの裸体についてる毛…ぱっと見、アンダーヘアしかないね』状態なんだけども(それさえも綺麗さっぱり取り除いてる人最近多いよね〜)
ちょっと年齢を重ねた、ダイレクトに言っちゃえば…そろそろセックスレスに突入したかな?程度の年齢の妙齢の方々はしっかりとした毛が乳首のまわりに佇んでいることが多い。
もっともっとおばあちゃんになれば、乳首は薄いピンク色になり、毛…しわしわのこの肌に生えてるかな…状態にまで突入するがそれはもうちょっと未来の話。
そんな乳首の毛。
正直、こまめに剃るのは面倒である。
でも剃らなければ生えてくる、ヒゲとかと同じでほんの少しでも放っておけば変なチクチク状態になってしまう。
別にいつもはブラジャーの中にいるだけの存在なのだから、ちょっとやそっとじゃ剃る必要も、ついでに誰かに見せる必要もない。
だからむしろ繊細な部分でもある乳首の周辺の毛は、本来必要がある場合に剃るだけにしておいて、いつもは放っておくだけで良いはずなのだ。
しかしながら、例外がある。
恋人、つまり裸を見せるひとが近くにいる場合は例外なのである。
イチャコラホイホイとベッドに、いつ引っ張り込まれるかわからないうら若き乙女たち。遠距離恋愛ならいざ知らず、近くに恋人がいるならそんなことは日常茶飯事だろう。
いつ紳士諸君に脱がされても良いように、そして見栄えが良いように、肌触り(もしかすると舌触りかもね?)がチクチクしないように、女の肌はすべすべという男の抱く幻を守ってあげるために。日夜、乳首の毛をしっかりとカミソリで取り除く乙女たちの戦い。なんと、素晴らしいではないか。
つまり何が言いたいのかというと、そんな乳首の毛をこまめに取り除く戦いから降りてしまった女がいる。他ならない、わたしである。
以前ブログで、わたしはこんなことを書いていた。
『そういえばひとって(特に女性か)、自分には恋人ができたぜ!とやたらに良い報告はブログなんかに書きたがるのに、いざ別れたらそのことは妙に書きたがらないよね、ってことをふと思う。
あれ、格好悪いから、わたしは別れたら潔くすぐさまブログ書きますとも。それを今、ここに約束しておきましょう。その時は悪口めいっぱい書こう。ひゃっはー!ってなテンションでな。』
そう、わたしは約束していた。
ドヤ顔でブログに恋人ができた報告をする以上は、きちんと別れたよってのもインターネットの星屑の海に放流せねばならないんだろって。約束は守ります、だからここに書きます。別れました。女に二言はないのだ。
人と人が関係性を構築するには、色々な障壁がある。
けれどもそんな時は愛さえあればイッツオーライ♡で強行突破してきたのがほとんどだ。だが今年で25歳のわたしには、そろそろ結婚という文字が脳裏をよぎる訳でして、人生計画の様々な分岐点を意識したときに、相手からNOを突きつけられることもある。
致し方のない別れが、ある。
私立の高校出身で、スタバを飲みつつ塾に通っていたわたしには知らない世界が多々あった。そのまま地方国立大学に入って、終電を過ぎてしまうという概念を決して持つことなく、パチンコのルールも知らないわたしに、世の中の些細なことから実は大きなことまで、いつも車の助手席に乗せてくれながら多くのことを教えてくれた元恋人にはとてもとても感謝している。本当に、たまらなく感謝している。
そして、きっちりと記念日に別れてくれたこともある意味良かったのかもしれない。
そういうこっちゃでわたしは今、乳首の毛に意識が向いていない。
思い出したように剃ることはあれども、剃って無駄に肌荒れを引き起こしかねないぐらいなら、次に誰かに裸体を見せる必要がある日まで放っておこうかと思っている。
しばらくは、不意打ちで見せることも、見せる元気も無さそう、なので。