作家・ライター
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妻のイライラが止まらない? 妻がヒステリック大爆発する夫の皆様へ

昨夜、夫が海外出張から帰ってきた。

 

「おかえり!おかえり!」と夫に飛びつく私の様子は、きっと家に帰ってきた主人に喜びの儀式を行うような犬に似ていたことだろう。犬って毎回しっぽ振って飛びつくよね。

 

たった4日間とはいえ、少し遠く離れるというのは猛烈に寂しかった。(自分は先月、2週間も海外出張してるのにね)

私は東京に出てきたと同時に夫の部屋に転がり込んだので、東京で一人暮らしをしたことがなく、ひとりぼっちで過ごす東京の「新宿も渋谷も行こうと思えば行けるのに、そこ行ったとしてもやっぱり何もすることがない」みたいな状態が結構つらかった。

東京に友人が少ないのも一因だろう。

 

一緒に過ごして2年近く経つが、夫への愛情パラメーターみたいなのが変わらず右肩上がりなので、これからも相変わらず穏やかに一緒に過ごし、尊敬しあえていければなと思うばかりです。

 

 

〜〜〜はい、ここまでが美談。〜〜〜

 

以下、現実の話をします。

 

そんな夫の海外出張中、なんとなく寂しくてGoogleに「夫」と入力したら、「大好き」という言葉などが続き、「嫌い」だの「ストレス」だのがサジェストされてきた。

世の中には夫が嫌いなあまり、その思いを検索してしまう人がとても多いということに気づかされる。悲しいけれど、これが現実なのか。

 

ちなみに1位は、「夫 浮気」。(2017年5月30日現在)

浮気が気になって検索する人が多いのはよくわかる。というか、浮気された後の対処法を検索してるのかもしれない。

 

じゃあ逆に夫の皆様は、どういう単語で検索してるんだろう?

検索してみると、同じく1位は「妻 浮気」。

世の中にはどれだけ浮気が多いのか、と胸が苦しくなりました。悲しすぎるね。

 

そのほか、「誕生日プレゼント」、「呼び方」などの悩んでるっぽい単語が続き、最後に出てきたのは「妻 イライラ」。

帰宅したら妻が猛烈に怒り狂っている。だけど、その原因がわからずに困り果てた夫が、どうしようと悩んだ形跡のようでやっぱり胸が痛い。

 

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ここからは完全に個人的意見なのだけれど、イライラMAXになる女性はだいたいヒステリック大爆発状態なので、落ち着かせることが最重要である。距離を置くのも効果的。

 

ただし、自分の部屋に閉じこもったりするときには、どんなに夫側もイライラしたとしても「距離を置いた方が冷静になれて君に優しくできそうだから、そうします!」となんとか無理矢理でも声に出して宣言して閉じこもった方がいい。

 

その際に「は?話し合いはどうすんのよ?」と妻に鬼のような形相で言われても、同じセリフを連呼してそっと消えましょう。コンビニに行くとかでもいいと思います。

 

無言で勝手に閉じこもったら「逃げるのかよ!」と部屋にまで怒鳴り込んでくるし、さらにいうとヒステリックはレベルアップする。ここまでくると、マジの長期戦に突入してしまう。

 

なぜここまで言えるのかって?

ソースは私だ。

ほら、説得力があるだろ。

 

どんなにお互いのことを愛していてリスペクトしていても、人間、どちらともに余裕がないと爆発します。しかも夫婦というのは相手のことを深く知っているからこそ、相手のここを逆撫ですればいいということまで知っており、そういう夫婦喧嘩は大変にタチが悪い。

しかもなんらかの理由で攻撃性が高まっている場合、人間性の否定や、もはや生き物としてダメだ、レベルの言葉をぶつけてくる妻は多い。

 

根底には、自分のことを理解してくれないことへの不満が溜まっている。

覚えておいてほしいのは、この場合、夫はたいていの場合「理解しようとはしている」

 

問題はその方法の認識がお互いに違うということだ。話をとりあえず耳に入れてくれればいいというわけではない、同調して「そうか、つらかったな」と声をかけて、抱きしめてあげることを妻は求めている。

めんどくせーな、それって意味あんの?と思うでしょ。悲しいかな、これで納得して落ち着く妻は多いのです。悲しいかな。

 

ここで一番言っちゃいけないのは、攻撃されたときに思わず言いたくなる「しょうがないだろ」

仕事だからしょうがないだろ、俺は男だからわからなくてしょうがないだろ、できないもんはできないんだからしょうがないだろ。

 

これをいうと、今私が一生懸命に叫んだ言葉たちはなんだったんだ、と妻は猛烈に悲しくなり、落ち込み、そしてさらに関係ない話題にまで着火する。

「あなたは昔こういうことだってしたじゃない!」、はい、過去の話題まで持ち出されるのはこういうとき。ここまでくると、消火活動は難航する。これは性差だなと思うんだけど、女って、こういう悪い記憶力抜群だからね。

 

周囲に話を聞いても、しかも妻側から話を聞いたとしてもだいたいの場合、夫の方が自分よりも喧嘩の時に我慢してくれていることをみんなちゃんと知っていたりする。妻側も、ヒステリック状態の時は急に頭がやばくなっているだけで、冷静になるとそういうこと分かってることが多いのだ。

 

なんだよお前ら(私を含む)、その事実をわかってるのか。だったら夫にもう少し優しくしろよ。

 

とは思うのだが、だいたいの場合は生理前でどうしようもないくらい最高に不機嫌なときなので、これが本当に対処しづらい。

個人差はあるが、私の場合を例に挙げると生理前はずっと身体が二日酔いに近い重さがあって、生理中は下腹部を見知らぬ何者かに殴り続けられている感覚である。

これが続いた時、どんな精神状態か想像してほしい。もはや世界の全てがうっとおしくなる。大好きなごはんもどうでもいい、好きなアイドルのポスターが憎たらしく思う。

全方位に敵意丸出しの喧嘩っ早いヤンキーみたいなマインドになる。反抗期の親への態度にも似てるかもしれない。

 

何が悔しいって、これ、月に一度はやってくる生理現象ってことだ。

止められないものなので、本人が一番つらい。薬が効かない人もいるし、薬を飲むとまた別の支障が出る(仕事中なのに眠くなるなど)人もいて、こうすればいいという正解がないのもまた厄介である。

 

あと、生理中じゃない時にでも怒り狂う女たちを見ていて、イライラの原因に「そこはかとない不平等」と感じているということがあることに気がついた。

この「そこはかとない不平等」というのは、家事も含むが、家事以外での小さなタスクの管理業務の不平等さだったりする。

 

わかりやすくいうと、目に見える家事(料理、後片付け、洗濯、掃除など)を共働きだから平等にしましょうと2人できちんと分担しているとする。

だけど、そこには含まれない小さな、家族として生きて行く上でやらねばいけないこと、タスクはたくさんある。

例えば、ストックがきれそうなティッシュやトイレットペーパー、洗剤などを意識して記憶して買い出しする、生命保険の管理や更新、姑への気遣いや対応、郵便物の確認と対応、子供の習い事の下調べ、などなど。

ここまでの細かいところまで、2人で分けてやっていこうとすると難しい面はたくさんあるという話で、結局これを妻側が負担している場合が非常に多い。

 

これを、「私だけがたくさんしている気がする」と思わせると、「私も働いているのに」、「私の体調が悪いときも何もしてくれないよね」とどんどん思いは強まってしまう。

こういうことなんじゃないかな、ともし気がついたならば、対処法はひとつ。会社で「カウントしづらい細かい仕事が増えているのに、みんなにそれを分かってもらえずに困ってる社員」がいたら、何をしてあげるだろうか、と考えるといい。

そのぶん自分が分担する家事をひとつ増やす、労いの言葉をこまめにかける、なんてのも効果的だが、一番は「あなたがそういう仕事も全部してくれているということを、僕はきちんと知っています」と伝えてあげることだ。

 

これだけで救われたり、イライラが瞬く間に鎮火していくことは多い。

  

ひとつだけ知っておいてほしいのは、妻は別にイライラしたくない。眉間にシワがよるのは可愛くないし、できればかわいい素敵なお嫁さん、奥さんとしてあなたの横にいたいですとは本当に思っている。

だけど、そのコントロールが自分でうまくいかなかったり、いつも感じている不満がジワジワと我慢できなくなっていて爆発しているので、自分自身も般若のような顔をしていることを自己嫌悪している。

 

全ての解決策を私は知っているわけじゃないしわからないけれど、結婚をしてみて感じたことや、自分の周囲の既婚者を観察して気がついたことを書いてみたので、よければ参考にしてほしい。

そのほか、質問などがあればTwitterででもぜひ。

雨宮美奈子 (@areyoume17) | Twitter

 

 

 

 

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